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ドンドンドドドンどんどん行くばい!
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8th day
「テニスがしたい」
「・・・」
「テーニースーがーしーたーいーーー!」

金太郎が手にするソプラノリコーダーに肺いっぱいに吸い込んだ息を吹き込んだ。ピポーとソプラノの甲高い乱暴な音が鳴る。

「・・・遠山くん、うるさい」

紫乃はアルトリコーダーを口元から外して溜息をついた。
今日の5時間目の音楽は2人一組のリコーダーのテストだ。リコーダーなんて中学生にもなって使う楽器かと疑いたくもなるが、テストがあるのだから仕方がない。
紫乃が組むことになったのは遠山金太郎という男子だ。たまたま隣の席に座っていただけなのだが、彼とは最早犬との方がコミュニケーションが取れるのではないかと思うほどに意思の疎通が難しかた。
何にせよ、人の話は基本的に聞かないわ、面白いところにすぐすっ飛んで行くわ、落ち着いてまともに話が出来た試しがない気がする。
その彼の奔放さは3年生でも手を焼くほどだというのだから、今回紫乃が彼と組むことになったのは不幸としか言いようがなかった。
昼休みは残り20分。それまでに何とかして金太郎を説得して一緒に練習しなくらはならない。

「授業終わったら好きなだけ出来るんやからええやない!」
「せやかて日が沈んでもうたらそれで終わりや!」
「あっ・・・うん・・・それは、そうだね・・・」
「せやろ!?」
「でも昼間は授業があるの!しかも今日テストなの!」

金太郎の大声に負けないくらい紫乃も声を張り上げる。張り上げなけれなばらないほど紫乃は焦りつつあった。

「出来なかったら追試だよ!そうするとテニスする時間も減っちゃうよ?いいの?」
「ええーっ!?あかん!それはあかんわ!」

むっつりと不貞腐れていた金太郎の表情が、紫乃の言葉を聞いて急に困ったようなものに変わる。

「でしょ?」
「あかん!ワイ、テニスはしたいわ!こんなんに時間取られるの嫌やわ!」
「でしょ?私も時間取られるんは嫌や」
「ワイが出来んと三島も困るんか?」
「そう。揃って追試だから」
「オカンが人に迷惑かけたらあかんって言っとったわ!分かった!三島のためにワイはやる!」
「よし!よく言った!」
「で、この記号って何て読むん?」
「・・・!」

昼休みは残り15分。
放課後の追試は、どうやら避けられないようだ。
15days | 23:59 | comments(0) | - | chica
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