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ドンドンドドドンどんどん行くばい!
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つめたい手
「寒い」
「寒くない」
「寒い」
「寒くない」
「寒い」
「寒くな「俺も寒いッスわユウジ先輩」
「チッ…勝手にしたらええ」

ユウジが観念したように花純の手にカイロを戻した。

「やった!ありがとう財前くん!」
「別に。俺自身のためですから。ほら」
「冷たっ!?」
「ね?」
「ッギャー!あんま握らないで!体温が!奪われる!」
「何握り合っとんねん自分らは。二股か花純」
「ジョーダン。っていうか二股?誰と財前くんで?」
「それ言うなら俺と誰やろ?」
「嫌ですわあ白石部長。俺らはまだ清い健全な男女交際ですから。花純先輩ってば手繋ぐだけでもギャーギャー騒いで煩くて敵わん」
「どうでもいいけど財前くん、いらない誤解招かないでね、君の手が冷たいからだからね」
「どうでもいいんかい」
「ちえー」

ユウジの手からやっと取り戻したカイロを今度は財前が奪う。花純が「あ!」と言う前にぎゅっと握ると、ぽんと花純の手の中に投げて寄越した。温もりを奪われたカイロはしわくちゃのまま、一層冷たく花純の掌で死んでいる。
寒い。何しろ寒い。太陽の出ている昼間はまだしも、夕方ともなれば太陽の恩恵も虚しく冷え切ってしまう。早速今年もカイロに頼らざるを得ない。
意味もなくつっかかる白石に財前はカイロを握った手をぱっと開いた。

「白石部長も試してみます?俺の手めっちゃ冷たいッスよ」
「遠慮しとくわ。男同士で手握るなんざ気持ち悪いし」
「うう、体温奪われた・・・」
「カイロ何かに頼らんでも。人肌が一番あったかいモンやで」
「ギィャアアアア!どこに手突っ込んどるんや謙也!」
「首」
「ああああ冷たい冷たい!」
「なんてったってココはぎょーさん血通ってるからな」
「謙也、首はアカンで首は」

マフラーを巻いた花純の首に手を突っ込んだまま謙也が自慢げに笑う。くすぐったいのか花純がおかしそうに体を捩った。
白石が窘めると謙也はあっさり手を抜いた。白石は捩った拍子に肩からずり落ちたマフラーを直してやると、花純の手の温度を確かめるように何度か握って溜息を吐く。

「しっかしホンマ冷たいな」
「別に冷え性って訳でもないと思うんやけど」
「この年で冷え症は将来苦労すんで」

妙に嘆かわしそうな口ぶりで言うと、白石は花純の手を握ったまま自分のコートのポケットに突っ込んだ。

「ほら」
「あ、あったかい」
「せやろ?」
「うん」
「あっ!ずるいわよ花純ちゃん、蔵リンと冬の恋人ごっこやなんて!ちょっとアタシにも貸して!」
「恋人ごっこっt「小春ううううう!俺のポッケも空いてんで!白石よりあったかいで!」
「…ホンマキモいし暑っ苦しいし寒いしで最悪ッスわ」
「どれかにしいや」
「じゃあ、ウザい」
「お前は誰を見て言ってんねん!」

寒空の下、頬を真っ赤にさせた少年少女の攻防は今冬も続く。


人のポッケの中は暖かいよねという話

基本冷え性...ユウくん、財前くん
手が冷たい...小春ちゃん、白石部長、副部長
手が暖かい...謙也くん、師範、千歳
天然カイロ...金太郎さん
小ネタ | 20:42 | comments(0) | - | chica
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